西洋医学では「冷え症」は病気ではないというとらえ方なので、「冷え症」で薬を処方してもらえることはないはずです。しかし、漢方の考え方では病名に対して処方するのではなく、あくまで対象者の体質、自覚症状、他覚症状、その時の状態に基づいて処方していきます。
冷え症に対する漢方の処方は
- 体を温める
- 胃腸を丈夫にする
- 新陳代謝を良くする
を目的にしています。
漢方からみた冷え
漢方では冷え症の4つ原因があると考えます。
- 血毒(血液循環障害)
- 水毒(体液代謝障害)
- 気(生命エネルギーの不足)
- 食毒(食べ過ぎ・偏食)
これらの4つの原因が合わさって冷え症となる考えです。
漢方での5つの冷えの症状
漢方では冷えに関する症状を大まかに5つに分類してます。
1.血液循環障害型(婦人科疾患タイプ) 子宮内膜症・生理不順・卵管炎・妊娠障害・更年期障害など
2.消化器障害型(胃腸科タイプ) 急性・慢性胃腸炎・便秘・下痢・腹痛・胃下垂・内臓下垂など
3.運動神経障害型 四肢神経痛・肋間神経痛・リウマチ関節炎・坐骨神経痛・腰痛など
4.泌尿器障害型 膀胱炎・腎盂炎・排尿異常など
5.循環器型障害 貧血・低血圧・腎炎・ネフローゼなど
冷え症に効く漢方薬
このように漢方で冷えを改善していくには、患者の症状や体質、気・血・水・食のなどを考慮したうえで、その人にあった漢方を処方していくようです。
冷え症に良く使われる漢方処方は
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん)
- 四物湯 (しもつとう)
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
- 八味丸 (はちみがん)
- 五積散 (ごしゃくさん)
- 補中益気湯 (ほちゅうえっきとう)
- 六君子湯 (りっくんしとう)
などがあるそうです。症状によって処方を組み合わせたり、量などを加減するそうです。
漢方で冷えを改善したいとお考えの方は、お近くの漢方薬屋さんに相談しましょう。